食いしばりを根本から見直す徹底ガイド。原因・全身への影響・セルフケア

食いしばりを根本から見直す徹底ガイド。原因・全身への影響・セルフケア

気づくと歯を食いしばっている、朝起きるとあごがだるい、原因のよく分からない頭痛や肩こりが続いている。こうした不調の背景に、食いしばりや歯ぎしりがひそんでいることがあります。やっかいなのは、食いしばりは無意識のうちに起きているため、本人がなかなか気づけないことです。私自身、長いあいだ肩こりや頭の重さに悩み、その原因が日中の食いしばりだと知ったときには、正直とても驚きました。

この記事では、食いしばりや歯ぎしりを根本から見直すために、その原因、体に与える影響、気づく方法、そして日中と就寝中それぞれのセルフケアまで、できるだけくわしくまとめていきます。食いしばりの基本的なセルフケアについては、あごが疲れる、気づくと食いしばっている。原因とセルフケアにまとめていますので、あわせて読んでみてください。

はじめにお伝えしておきますと、私は歯科や医療の専門家ではありません。同じ悩みに向き合ってきたひとりとして、調べたことと自分の経験を正直に共有します。あごの痛みが強い、口が開けにくいといった症状があるときは、歯科で相談してください。歯ぎしりについては、公的な情報として日本歯科医師会の相談ページ(日本歯科医師会 お口のなんでも相談「歯ぎしり」)も参考になります。

食いしばり・歯ぎしりとは

本来、上下の歯は、食事や会話などの必要なときだけ軽く触れ合い、安静にしているときはわずかに離れているのが自然な状態です。ところが、無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、寝ているあいだに歯をこすり合わせたりすると、あごの筋肉や関節、歯に大きな力がかかります。日中に起きるものを食いしばり、寝ているあいだに起きるものを歯ぎしりと呼ぶことが多いですが、どちらも歯やあごに負担をかける点は共通しています。

食いしばりに気づきにくい理由

食いしばりが根深い悩みになりやすいのは、本人が気づきにくいからです。日中の食いしばりは、集中しているときなどに無意識に起きるため、自分では自覚がありません。就寝中の歯ぎしりも、寝ているあいだのことなので、当然ながら自分では分かりません。家族に指摘されたり、あごや肩の不調をきっかけにしたりして、はじめて気づく人が多いのです。だからこそ、まずは自分が食いしばっているかもしれない、という視点を持つことが、根本から見直す第一歩になります。

食いしばりの主な原因

食いしばりや歯ぎしりには、いくつかの原因が関わっています。自分にあてはまるものを知ると、対策の方向が見えてきます。

ストレスや緊張

食いしばりや歯ぎしりは、ストレスや緊張と深く関わっていると考えられています。気を張っているときや、不安を感じているときに、無意識にぐっと歯を噛みしめてしまうことがあります。忙しい時期に不調が強くなる人は、ストレスが関わっているかもしれません。

集中しているときの癖

パソコン作業やスマホ、細かい手作業などに集中しているとき、知らないうちに歯を噛みしめてしまう人は多いです。これは癖の部分が大きく、気づいて意識することで変えていけます。

姿勢や生活習慣

前かがみの姿勢や頬づえ、うつ伏せで寝るなど、あごに偏った力がかかる習慣も、食いしばりの負担につながります。日常の何気ない姿勢が、あごに影響していることがあります。

かみ合わせ

かみ合わせのバランスが、食いしばりや歯ぎしりに関わることもあります。この場合は、自分での対策だけでは難しいこともあるので、歯科で相談することが役立ちます。

食いしばりが体に与える影響

食いしばりを放っておくと、歯やあごだけでなく、体のさまざまなところに影響が出ることがあります。

歯への影響

強い力が繰り返しかかることで、歯がすり減ったり、欠けたりすることがあります。歯の表面がすり減ると、冷たいものがしみる知覚過敏につながることもあります。しみる症状が気になる人は、歯がしみる知覚過敏の原因と治し方。むし歯との見分け方、自分でできるセルフケアもあわせて読んでみてください。

あごへの影響

あごの関節や筋肉に負担がかかると、あごの疲れやだるさ、口の開けにくさ、あごを動かすときの違和感などが出ることがあります。あごへの負担が続くと、こうした症状が強くなることもあります。

頭痛や肩こり

あごの筋肉は、こめかみや首、肩の筋肉ともつながっています。そのため、食いしばりによる緊張が、頭痛や肩こりとして感じられることがあります。原因のよく分からない頭痛や肩こりの背景に食いしばりがあることは、少なくありません。くわしくは、食いしばりが頭痛・肩こりの原因に?仕組みと自分でできる対策もあわせて読んでみてください。

歯ぐきへの影響

歯に強い力がかかることは、歯ぐきの下がりに関わることもあります。歯ぐきが下がって歯が長く見えるのが気になる人は、歯ぐきが下がって歯が長く見える原因と、これ以上下げないケアも参考になります。

自分が食いしばっているかチェックする方法

無意識の食いしばりに気づくために、いくつかのチェック方法があります。まず、日中にふと気づいたときに、上下の歯が触れていないかを確かめてみてください。触れていたら、食いしばりの癖があるサインです。安静時は歯が少し離れているのが自然な状態です。

ほかにも、朝起きたときにあごや頭、肩が重い、頬の内側や舌のふちに歯の跡がついている、歯がすり減ってきた気がする、といったことも、食いしばりや歯ぎしりのサインになります。家族に、寝ているときの歯ぎしりを指摘されたことがある人も、心あたりがあるでしょう。こうしたサインに気づくことが、対策の出発点になります。

食いしばりに悩んでいたころ

私は長いあいだ、慢性的な肩こりと頭の重さに悩んでいました。マッサージに通っても、そのときは楽になるものの、またすぐに戻ってしまう。原因が分からず、半ばあきらめていました。あるとき、日中に自分の口元を意識してみると、パソコンに向かっているあいだ、いつも歯をぐっと噛みしめていることに気づいたのです。これが不調の背景だったのかと、腑に落ちました。そこから、日中に歯を離すことを意識し、あごをほぐすケアを続けるようにしたところ、少しずつ肩や頭の重さが和らいでいきました。

日中にできるセルフケア

食いしばりを根本から見直すうえで、いちばん大切なのが日中のセルフケアです。無意識の癖に気づいて、力を抜くことを習慣にしていきましょう。

歯を離すことを意識する

日中、気づいたときに上下の歯を触れさせないよう意識します。ふっと力を抜いて歯を離す。これを繰り返すだけでも、あごや、つながる首や肩の負担が変わってきます。

気づくための工夫をする

無意識の癖なので、気づくきっかけをつくることが大切です。パソコンの画面のはしや、よく見る場所に小さなメモや印を貼っておき、それが目に入るたびに歯が触れていないか確かめる、という方法が役立ちます。

姿勢を整える

前かがみの姿勢はあごに負担をかけます。背すじを伸ばし、画面の高さを目線に合わせるなど、姿勢を整えることも、食いしばりの負担を減らすことにつながります。

あごの筋肉をほぐすケア

こわばったあごの筋肉をほぐすことも、食いしばりによる不調を和らげるのに役立ちます。

やさしくマッサージする

ほおのあたりの筋肉を、痛気持ちいいくらいの強さで、円を描くようにやさしくマッサージします。強く押しすぎないことが大切です。

蒸しタオルで温める

寝る前に、蒸しタオルでほおのあたりを温めると、筋肉がゆるんでリラックスしやすくなります。一日の緊張をほぐすのに向いています。

軽いストレッチをする

首や肩をゆっくり回すなど、軽いストレッチで全体の緊張をほぐすことも役立ちます。あごだけでなく、つながる首や肩もあわせてほぐすと、より楽になります。

ストレスとの向き合い方

食いしばりの根っこには、ストレスや緊張があることが多いです。そのため、あごへの直接のケアだけでなく、心と体をゆるめる時間をつくることも、根本的な見直しには欠かせません。深呼吸をする、軽い運動をする、好きなことでリラックスする、しっかり眠る。こうした習慣で、根っこにある緊張をほぐしていくことが、食いしばりの予防につながります。ストレスをゼロにするのは難しくても、ためこみすぎないように意識するだけで、変わってきます。

就寝中の歯ぎしり対策

日中の食いしばりは意識で減らせますが、就寝中の歯ぎしりは自分ではコントロールできません。就寝中の歯ぎしりから歯やあごを守るためには、歯科で歯型に合わせたマウスピースをつくってもらう方法があります。市販のマウスピースもありますが、自分の歯に合っていないとかえって負担になることもあるので、気になる場合は歯科で相談するのが安心です。マウスピースや対策グッズの選び方については、食いしばり・歯ぎしり対策グッズの選び方。マウスピースと日中のセルフケアもあわせて読んでみてください。

歯科で相談したほうがよいとき

セルフケアを続けても、あごの疲れや頭痛、肩こりが続く、あごが痛い、口が開けにくい、口を開けると音がするといった症状があるときは、歯科で相談してください。歯科では、歯やあごの状態を見てもらい、マウスピースなどの対策を相談できます。また、頭痛や肩こりそのものが強く続く場合は、その症状に合った医療機関でも相談することが大切です。ひとりで抱え込まず、専門家の力を借りることも、根本的な改善につながります。

食いしばりを招きやすい生活を見直す

食いしばりを根本から減らすには、あごへの直接のケアだけでなく、食いしばりを招きやすい生活そのものを見直すことも役立ちます。心あたりがないか、ふり返ってみてください。

まず、睡眠が足りていなかったり、疲れがたまっていたりすると、体の緊張がほぐれず、食いしばりや歯ぎしりが起きやすくなります。しっかり休むことは、食いしばり対策の土台です。また、カフェインやお酒のとりすぎは、睡眠の質に影響し、就寝中の歯ぎしりに関わることもあります。夜遅くのカフェインは控えめにするとよいでしょう。長時間のスマホやパソコンで、下を向いた前かがみの姿勢が続くことも、あごに負担をかけます。ときどき姿勢を変え、休憩をとることが大切です。適度な運動でストレスを発散することも、根っこにある緊張をほぐすのに役立ちます。こうした生活全体の見直しを、あごのケアと合わせて行うことで、食いしばりを根本から減らしていけます。私も、睡眠と休憩を意識するようにしてから、あごのこわばりが以前より和らぎました。

よくある質問

自分が食いしばっているか分かりません

日中、ふと気づいたときに上下の歯が触れていないか確かめてみてください。触れていたら食いしばりのサインです。朝のあごや肩の重さ、頬の内側の歯の跡も目安になります。

食いしばりで頭痛や肩こりは本当に起きますか

あごの筋肉は首や肩、こめかみともつながっているため、食いしばりによる緊張が頭痛や肩こりとして感じられることがあります。原因不明の不調の背景にあることも少なくありません。

マウスピースは市販のものでもいいですか

手軽ではありますが、自分の歯に合っていないとかえって負担になることもあります。気になる場合は、歯科で歯型に合わせたものを相談するほうが安心です。

日中と就寝中、どちらの対策が大切ですか

どちらも大切です。日中は意識して歯を離すことで減らせますが、就寝中は自分でコントロールできないので、必要に応じてマウスピースなどで歯やあごを守ります。

まとめ

食いしばりや歯ぎしりは、無意識のうちに起きるため気づきにくく、歯やあごだけでなく、知覚過敏や頭痛、肩こり、歯ぐきの下がりなど、体のさまざまなところに影響することがあります。根本から見直すには、まず自分が食いしばっているかもしれないと気づき、日中に歯を離す意識、あごをほぐすケア、ストレスとの向き合い方を続けることが大切です。就寝中の歯ぎしりには、必要に応じてマウスピースで歯を守ります。症状が続くときは、歯科や、症状に合った医療機関で相談してください。原因不明の不調に悩んでいた過去の自分に伝えたいのは、食いしばりを見直すと、いろいろ楽になるかもしれないよ、ということです。あせらず、できることから続けていきましょう。

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