サ行で唾が飛ぶ・空気が漏れる原因と対策。特定の発音の悩み

「さしすせそ」を言うときに、空気が抜ける感じがして唾が飛びやすい。サ行やタ行の発音になると、どうしても唾が出てしまう気がする。特定の音のときだけ、口元が気になる。そんな悩みはありませんか。私自身、サ行を言うときに唾が飛んでいる気がして、その音を含む言葉を避けるようになってしまった時期がありました。
特定の発音のときに唾が飛びやすいのには、理由があります。この記事では、サ行など特定の音で唾が飛びやすくなる原因と、その対策を、同じ目線でまとめていきます。唾が飛ぶことそのものの対策やトレーニングについては、話すと唾が飛ぶのが気になる。原因と今すぐできる対策と、唾が飛ぶのを抑える話し方とトレーニング。滑舌をよくする練習もにくわしくまとめているので、あわせて読んでみてください。
はじめにお伝えしておくと、私は歯科や言語の専門家ではありません。同じ悩みに向き合ってきたひとりとして、調べたことと自分の経験を正直に共有します。歯並びが関わっていそうな場合は、歯科で相談してみてください。
なぜサ行など特定の音で唾が飛ぶのか
サ行やタ行は、舌を前歯の裏に近づけて、そのすき間から息を出して発音します。このとき、舌と歯のあいだを空気が勢いよく通るため、口の中の唾液が空気と一緒に飛び出しやすくなります。とくに、前歯のかみ合わせにすき間があると、そこから空気が漏れやすく、唾も飛びやすくなります。つまり、サ行やタ行で唾が飛びやすいのは、これらの音が、空気と唾液を前に押し出しやすい発音だからなのです。特定の音のときだけ気になる、というのは、この仕組みによるものです。
特定の音で唾が飛びやすい要因
サ行などで唾が飛びやすくなる背景には、いくつかの要因があります。
歯並びやかみ合わせ
前歯が噛み合わずにすき間がある状態だと、発音のときに空気が漏れやすく、唾も飛びやすくなります。サ行が言いにくい、空気が抜ける感じがするという人は、歯並びが関わっていることもあります。歯並びの悩みについては、歯並びがコンプレックスで笑えない。原因と悩みとの向き合い方もあわせて読んでみてください。
舌の位置や動き
舌の位置が安定していなかったり、動きがスムーズでなかったりすると、発音のときに空気や唾液のコントロールがうまくいかず、唾が飛びやすくなります。舌の筋力や動きを整えることで、和らげられる部分です。
唾液がたまった状態で話す
口の中に唾液がたまった状態で、勢いよくサ行を発音すると、その唾液が飛びやすくなります。話す前に唾を飲み込んでおくだけでも、変わってきます。
サ行を言うのがこわくなっていたころ
私は、サ行を言うときに唾が飛んでいる気がして、その音が含まれる言葉を無意識に避けるようになっていました。言い換えられる言葉は言い換え、避けられない場面では口を小さくして話す。でも、そうすると声がこもって伝わりにくくなり、ますます話すのがつらくなりました。原因が発音の仕組みや舌の動きにあると知って、避けるのではなく、話し方と舌のトレーニングで整えていくようにしたところ、少しずつ気にせず話せるようになっていきました。
特定の音で唾が飛ぶときの対策
サ行など特定の音で唾が飛ぶのを和らげる対策を紹介します。
話す前に唾を飲み込む
いちばん手軽なのが、話し始める前に唾を飲み込んで、口の中の唾液を減らしておくことです。サ行の多い言葉を言う前に、さりげなく唾を飲み込む習慣をつけると、飛ぶのを防ぎやすくなります。
ゆっくり、やさしく発音する
サ行やタ行を、勢いよく強く発音するより、ゆっくり、やさしく発音することを意識すると、空気の勢いが和らいで、唾も飛びにくくなります。早口を避けて、落ち着いて話すことも助けになります。
舌と口周りのトレーニング
舌の動きをなめらかにし、口周りの筋力を整えるトレーニングは、発音の安定につながります。パタカラ体操や早口言葉、口を大きく動かす体操などが役立ちます。こうした口の体操については、公的な情報として日本歯科医師会が分かりやすく紹介しています(日本歯科医師会 オーラルフレイル対策のための口腔体操)。
気になるときは歯科で相談を
対策をしても、発音のときの空気の漏れや唾の飛びが続く場合は、歯並びやかみ合わせが背景にあることもあります。その場合は自分の工夫だけでは難しいこともあるので、歯科で相談してみると、原因がはっきりして対策の幅が広がります。発音のしづらさが強く気になる場合は、話し方の専門的なサポートを受けるという選択肢もあります。ひとりで抱え込まず、必要なときは専門家を頼ってください。
マイクやオンラインで発音が気になるとき
マイクを使う場面や、オンライン会議では、口元の音や発音がふだんより気になることがあります。マイクは口元の細かい音を拾いやすいので、サ行の空気が抜ける音などが強調されて聞こえることがあるためです。
こうした場面では、マイクを口元に近づけすぎないようにすると、息の音を拾いにくくなります。話す前に唾を飲み込み、ゆっくり落ち着いて話すことも、いつも以上に効いてきます。オンラインの会話は、相手に唾が届かないぶん、ゆっくりはっきり話す練習の場としても活用できます。自分の話し方を録画で見返すと、どの音のときに気になるかを客観的に確かめられて、対策のヒントになります。私は、マイクの位置を少し下げて、ゆっくり話すことを意識してから、オンラインでの発音の不安が減りました。場面に合わせた小さな工夫で、気持ちよく話せるようになります。
よくある質問
サ行で唾が飛ぶのは歯並びのせいですか
前歯のかみ合わせにすき間があると、空気が漏れて唾が飛びやすくなることがあります。ただ、舌の動きや話し方も関わるので、まずは対策を試し、気になるときは歯科で相談してください。
すぐにできる対策はありますか
話す前に唾を飲み込むこと、サ行をゆっくりやさしく発音することは、すぐに試せて効果を感じやすい対策です。
トレーニングで改善しますか
舌や口周りのトレーニングは、発音の安定につながります。毎日少しずつ続けることで、変化を感じやすくなります。
発音のしづらさが強いときはどうすればいいですか
発音のしづらさが強く気になる場合は、歯科や、話し方の専門的なサポートに相談することも選択肢のひとつです。
まとめ
サ行やタ行で唾が飛びやすいのは、これらの音が舌と歯のすき間から空気を押し出す発音だからです。歯並びや舌の動き、唾液のたまり具合も関わっています。話す前に唾を飲み込む、ゆっくりやさしく発音する、舌と口周りのトレーニングを続けるといった対策で、和らげていけます。それでも気になるときは、歯並びが背景にあることもあるので、歯科で相談してください。サ行を言うのがこわくなっていた過去の自分に伝えたいのは、避けるより整えるほうが楽になるよ、ということです。あせらず、できることから続けていきましょう。


